いざ相続が始まると”たくさんの手続き”が必要になります
人が亡くなることで起こる「相続」
いざ、相続が発生すると様々な書類・手続きが必要になってウンザリすると思います。
財産の多い、少ないは関係なく、人ひとりが亡くなると同じような手続きが必要になります。
今回は、相続手続きのスケジュールと必要書類についてお話しします。
相続発生後のタイムスケジュール
相続発生 | 仏事等関連事項 | 法律関連事項等 | 税制関連事項 |
5日以内 | 通夜、火葬、告別式 | 健康保険・厚生年金の資格喪失届出 | |
7日以内 | 初七日法要 | 死亡届 | |
14日以内 | ・世帯主の変更届 ・国民健康保険・国民年金の資格喪失届出 ・介護保険の資格喪失届出 ・遺言書の確認・検認 | ||
3ヶ月以内 | 納骨・香典返し | ・相続の放棄 ・相続の限定承認 | |
4ヶ月以内 | 遺産や債務の評価 | 被相続人の所得税の申告・ 納付(準確定申告) | |
10ヶ月以内 | ・遺産分割協議書の作成 ・遺産名義変更手続き | ・相続税の申告、納付 ・相続税の延納、物納の申請 | |
3年以内 | 生命保険金の請求(時効) |
死亡届
死亡者の住所地の市区町村役場に医師の診断書または死体検案書を提出します。
死亡届の手続きが完了すると、「火葬許可証(埋葬許可証)」が発行されます。
相続人を確認する
相続の手続きで、最初にやる大事なことは、「相続人を確定させる」ことです。
この相続人の確定の方法は、被相続人(亡くなった人)の産まれたときから亡くなるまでの全ての戸籍を取得する必要があります。そして相続人を確定させるまで銀行口座も凍結されたままで、預金を引き出すことができません。
戸籍の取得はご自身でもできますが、慣れている司法書士、行政書士に依頼した方がスムーズです。
遺言書の確認
公正証書遺言(公証人役場に保管)、自筆証書遺言、秘密証書遺言があるかどうか確認する必要があります。
相続財産の調査・確定
相続財産は預金、株式などの有価証券、不動産、ローンや未払いの債務(借金)も対象となります。
借金があることを知らずに相続したあとで、被相続人(亡くなった人)の借金を返済するケースもあります。
被相続人が友人の連帯保証人になっていた!というケースも連帯保証人の立場も相続することになります。
相続放棄等の手続き
相続財産が預金等のプラスの財産より、債務(借金)の方が多い場合、単純承認すると債務も相続することになります。
そのような場合は相続放棄することで債務も引き受けなくて済みます。
限定承認という制度を使えば、受け継いだ財産の範囲内だけ債務を支払えばいいことになります。つまり、あなたの資産から債務(借金)を支払う必要がなくなります。
相続の放棄、限定承認は相続の開始を知った日から3ヶ月以内に家庭裁判所に申請書を提出しなければなりません。
相続放棄手続きに必要な書類
・相続放棄または限定承認の申述書
・申述人(相続人)の戸籍謄本
・被相続人の死亡の記載のある戸籍謄本、住民票の除票
準確定申告
準確定申告とは、亡くなった人の1月1日から亡くなった日までの所得を申告することです。
相続人(相続を受ける人)は相続があったことを知った日から4ヶ月以内に税務署に確定申告書と各相続人の氏名、住所、被相続人との続柄等を記入した別表を被相続人(亡くなった人)の住所地の管轄税務署に提出します。
遺産分割協議書の作成(遺言書がない場合)
遺言書がない場合、遺産をどう分けるか?話し合う必要があります。話し合いの結果に基づいて作成するのが遺産分割協議書です。遺産分割の話し合いですが、どう分けるか?は相続人の自由となりますが・・・親族の中で仲の悪い人や疎遠になっている人、話したこともない人がいる場合、行政書士や司法書士が窓口になって相手方とやりとりするケースも増えてきました。そして、もし親族間で揉めた場合は双方が弁護士など代理人を立てて話し合うことになります。
これが相続が「争族」になるケースです。
相続財産の名義変更
遺産分割が終了すると、相続財産の名義変更となります。
相続財産の名義変更で不動産の名義変更は法務局に対して行います。
相続税の申告と納付
相続税の申告および納付は、相続発生から10ヶ月以内に行わなければなりません。